和室リフォーム
マンションの和室リフォーム完全解説!プロが選ぶ失敗しない選択肢とおしゃれ活用術

「マンションの和室をリフォームしたいけど、どうすれば良いかわからない…」 「和室を残すべきか、洋室に変えるべきか悩んでいる」 「和室をおしゃれに活用する方法が知りたい」
こんな悩みを抱えていませんか?
マンションのリフォームを検討する際、和室の扱いに頭を悩ませる方は少なくありません。和室をそのまま残すべきか、洋室に変更すべきか、あるいは新たに和室をつくるべきか…選択肢は多岐にわたります。
この記事では、10年以上の経験を持つリフォームの専門家高橋が、マンションの和室リフォームに関する全てをご紹介します。リフォームの選択肢から費用相場、インテリアコーディネートのコツまで、失敗しないための情報をたっぷりとお届けします。
目次
マンションの和室、必要?不要?
まず考えたいのが、そもそも和室は必要かどうかという点です。
和室のメリット:多機能なくつろぎ空間
マンションの和室の最大のメリットは、多目的に活用できる点です。
- 寝室・客間として:来客時や急な宿泊者が訪れた場合に便利
- 子どものスペースとして:遊び場やお昼寝スペースに最適
- 家族のくつろぎスペースとして:ちょっと横になれる和の空間
和室は畳の柔らかさもあり、小さな子どもが遊んでも安心なスペースとして活用できます。また、布団を敷けばすぐに寝室になるなど、フレキシブルに用途を変えられる空間です。
フローリングの洋室と異なり、特別な家具がなくても床に座ったり横になったりできるため、シンプルでありながら多機能なスペースとして重宝します。
和室の種類:用途に合わせて選べる
マンションの和室には、様々なタイプがあります。用途や好みに合わせて、以下の中から最適なものを選ぶことができます。
1. リビング横の間仕切り和室
マンションでよく見かけるのが、リビングの横に間仕切りを挟んで和室が配置されているタイプです。間仕切りを閉めれば個室に、開ければリビングの延長として使える柔軟性が魅力です。
来客時や就寝時には個室として、普段はリビングと一体化させて広々と使うことができます。
2. 間仕切り半個室
完全な個室と違い、一部だけ間仕切りがある「半個室」タイプの和室もあります。プライバシーを確保しつつも、家族とのつながりを感じられる空間です。
間仕切りを開け放してオープンにしておくことで空間を広く使えるため、圧迫感を感じにくいのが特徴です。限られたスペースで和室を設置したい場合に適しています。
3. 中和室
LDKの一部に設けられた、間仕切りのない「中和室」も人気です。窓がないため個室としては使いにくいですが、リビングとの一体感があり、多目的スペースとして活用できます。
家事スペースやちょっとした休憩場所、子どもの遊び場として重宝する空間です。LDKにメリハリを生み出す役割も果たします。
4. 小上がり和室
飲食店のお座敷のように一段高くなった「小上がり和室」も注目されています。腰掛けとして使えるだけでなく、段差部分を収納スペースとして活用できる点も魅力的です。
リビングと和室の境界を自然に作り出し、空間にアクセントを加えるデザイン要素としても人気があります。
マンション和室リフォームの選択肢と注意点
マンションの和室リフォームには、大きく分けて以下の選択肢があります。
1. 和室から洋室にリノベーション
既存の和室を完全に撤去し、フローリングの洋室に変更する選択です。リビングを拡張したい場合や、統一感のあるインテリアを目指す場合に適しています。
注意点:
- マンションの「管理規約」を必ず確認する(防音規定や遮音等級の制限)
- フローリング材の「L値」(遮音性の等級)をチェック(近年は「L-45」以下が主流)
- 畳の下に断熱材が入っていないケースも(必要に応じて断熱材の追加を検討)
2. 洋室から和室にリフォーム(スペース拡大含む)
逆に、既存の洋室に和室を増設したり、既存の和室を拡張したりするケースです。
注意点:
- 和室の明確な用途をあらかじめ決めておく
- LDKとの繋がりを持たせる場合は、インテリアの統一感を意識する
- 和室は自然素材が多いため、定期的なお手入れが必要
【施工別】和室リフォームの費用相場
和室のリフォーム費用は、施工内容によって大きく異なります。ここでは、主なリフォーム内容ごとの費用相場をご紹介します。
施工内容 | 費用相場 |
和室を洋室にフルリフォーム | 25~100万円 |
畳をフローリングにする | 10~35万円 |
壁・天井を洋風にする | 10~20万円 |
押し入れをクローゼットにする | 10~25万円 |
間仕切りを洋風建具にする | 3~22万円 |
※上記は6〜8畳の和室を対象とした費用相場です。
和室全体を洋室にフルリフォーム
6〜8畳間の和室全体をフルリフォームする場合、最低でも25万円前後、多いと100万円前後の費用がかかります。平均的な相場は50〜60万円程度です。
工事内容や既存の部屋の傷み具合によっては、予想以上に費用がかかることもあるため、事前に複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
コストを抑えるポイント:
- 間取り変更を極力行わない
- 設備や内装素材のグレードを下げる
- 補助金制度などを利用する
畳をフローリングにするリフォーム
和室から洋室へのリフォームで最も多いのが、畳をフローリングに変更するケースです。8畳程度の広さでおおよそ10〜35万円かかります。
費用を抑えたい場合は、クッションフロアへの張り替えも検討できます。クッションフロアなら8〜18万円程度で施工可能です。
重要ポイント: 床材を変更する際は、下地材の撤去・設置作業も必要になるため、その分の工事費も考慮しましょう。隣り合う部屋との段差をなくすために、床の厚みにも工夫が必要です。
壁・天井を洋風にするリフォーム
和室の壁や天井を洋風の壁紙(クロス)へと変更したい場合は、10〜20万円ほどの費用がかかります。
クロスの張り替え工事は「メートル単位(m)」あるいは「平方メートル単位(㎡)」で料金が計算されるため、見積もり時に計算方法をしっかり確認しておきましょう。
押し入れをクローゼットにするリフォーム
和室の押し入れをクローゼットに変更する場合、通常10〜25万円の費用が必要です。
ただし、襖を残して棚を増設する程度の簡単な施工内容であれば、2〜10万円程度のコストでリフォームできます。ワイドスペースにしたりウォークインクローゼットにしたりする場合は、50万円程度かかることもあります。
知っておきたいポイント: 押し入れとクローゼットでは寸法が異なります。押し入れは布団収納用に奥行きが80〜90cm程度ありますが、クローゼットは衣類収納に適した60cm程度が一般的です。奥行きの違いを考慮した設計が必要です。
間仕切りを洋室建具にするリフォーム
和室の襖などを洋風の建具に変更する場合は、1カ所あたり3〜22万円ほどのコストが必要です。
引き戸に変更するだけなら、建具本体と敷居交換のみで施工できるため、費用も比較的安くなります。ただし、ドアの種類や建具のグレードによっては費用が高くなることもあります。
マンション和室をおしゃれにする内装コーディネート術
マンションの和室をおしゃれに見せるコツは、「和モダン」スタイルを意識することです。和と洋のバランスを取り、現代的なデザイン要素を取り入れると、洗練された空間になります。
1. 畳:モダンな印象に変える選択
畳は和室の象徴ですが、縁なしの「琉球畳」を採用することで、スタイリッシュでモダンな印象に仕上がります。
琉球畳は半畳サイズの縁なし畳で、正方形に近い形をしているため、市松模様のようなデザイン性の高い敷き方ができます。また、カラーバリエーションも豊富なので、リビングなどとの調和も取りやすいのが特徴です。
選ぶ際のポイント:
- 耐久性と手入れのしやすさを考慮する
- カラーはリビングなど隣接する空間との調和を意識する
- 予算に応じて、天然素材か樹脂製かを選択する
2. 天井や壁:和モダンへの変身
和室の天井は「ラミネート天井」と呼ばれる木目プリントの合板が使われていることが多いですが、これをクロスに張り替えるだけで、印象がガラリと変わります。
リビングなど周囲の洋室と同じクロスを使えば、空間に一体感が生まれ、モダンなテイストにマッチしやすくなります。また、壁に色や柄のアクセントを入れることで、よりおしゃれな空間に仕上がります。
おすすめの工夫:
- 天井をクロスに張り替える
- アクセントウォールを作る
- 間接照明を活用する
3. 床の間:モダンなアクセントに
床の間は和室のアクセントとなる部分です。押し入れを吊り収納にして、その下部を床の間にすれば、視覚的な抜け感が生まれ、空間を広く見せることができます。
床の間の下に間接照明を設置すると、さらにモダンな雰囲気が演出できます。シンプルなデザインを心がけることで、現代的でスタイリッシュな和室に仕上がります。
4. 窓まわり:和紙調の素材で柔らかさを
和室リフォームでは、障子を撤去することも多いですが、遮光・調光の役割を持つものが必要です。通常のカーテンよりも「プリーツスクリーン」などが和室の雰囲気に馴染みやすいでしょう。
和紙調のプリーツスクリーンなら、和室の雰囲気を損なわず、現代的な印象も併せ持つことができます。
5. 家具選び:色味と素材感で統一感を
和室に洋風の家具を置いても問題ありません。ポイントは「色味」と「素材感」で統一感を出すことです。
木目調のシンプルなデザインの家具や、和の伝統色を取り入れたアイテムであれば、和室の雰囲気を損なわず、むしろおしゃれなアクセントになります。空間全体での和と洋のバランスを意識しましょう。
実例で見る!マンション和室リフォーム成功事例
ここでは、実際に行われたマンション和室リフォームの事例をご紹介します。イメージがつかみやすいよう、具体的な施工内容と費用も併せてご覧ください。
実例1:6畳和室を広いLDKに【費用:90万円※】
施工内容:
- 畳をフローリングに張り替え
- 壁の撤去
- クロス張り替え
※キッチンの移動を含むLDK全体の工事費用
リフォームポイント: 築23年のマンションの和室を、壁を取り払ってLDKと一体化。6畳の和室をリビングと繋げることで、21畳の広々としたLDKを実現しました。間仕切り壁や襖がなくなったことで、以前は暗かった空間が明るく開放的になりました。
実例2:二間続きの和室を洋室に【費用:約47万円】
施工内容:
- 和室の壁撤去
- 押入れの撤去
- 間仕切り戸設置
- 壁紙張替え
- 畳の入れ替え
- クローゼット設置
リフォームポイント: 小さなお子様が安心して遊べる和室は残しつつ、LDKとの一体感も持たせるため、壁を撤去して収納できるタイプの間仕切り戸を設置。戸を全て開けると、LDKと和室が一続きの空間になり、閉めれば個室として使える柔軟性を持たせました。モダンな琉球畳に変更したことで、ホテルライクなLDKとも調和する空間に生まれ変わりました。
実例3:和室をモダンにリフォーム【費用:約65万円】
施工内容:
- 畳の表替え
- ふすまからクローゼット扉へ交換
- 壁紙張り替え
リフォームポイント: 築15年のマンションの和室を、洋室との調和を意識してモダンにリフォーム。畳を琉球畳に変更し、扉も洋室の引き戸へ変更しました。床の間の奥のみ濃いグレーの壁紙に変えることで、アクセントを付け、洋室にもマッチするおしゃれな和室に生まれ変わりました。
実例4:和室をウォークインクローゼットに【費用:47万円】
施工内容:
- 畳をフローリングに張替え
- クロス張替え
- 壁増設
リフォームポイント: 使い道に困っていた和室を、広々としたウォークインクローゼットに変更。元々の押入れと和室の一部を活用し、両サイドに枕棚とハンガーパイプを設置した収納スペースを実現しました。リビング側に出入口を設けることで、動線もスムーズに確保しています。
福岡市でのマンション和室リフォーム事情
福岡市でマンションの和室リフォームを検討される方も多いでしょう。ここでは、福岡市特有のリフォーム事情についてご紹介します。
福岡市の和室リフォームの特徴
福岡市では、和と洋を融合させた「和モダン」スタイルの和室リフォームが人気です。特に博多の伝統を取り入れた要素を和室に盛り込むことで、地域性を感じられる空間づくりが注目されています。
福岡市特有のリフォームポイント:
- 博多織の要素を取り入れたインテリア
- 地元の木材を使った建具や家具
- 湿気対策を考慮した素材選び
福岡市の地域別リフォーム事情
東区エリア
東区は新興住宅地が多く、若いファミリー層の需要が高いエリアです。和室を子ども部屋としても使えるよう、間仕切りつきの半個室タイプのリフォームが人気です。
リフォーム福岡市東区の特徴:
- 子育て世帯向けの安全な和室設計
- 将来的な用途変更を見据えた可変性の高い間取り
- コストパフォーマンスを意識した材料選び
博多区・中央区エリア
都市部である博多区・中央区では、スペースを有効活用するリフォームが求められます。小上がりタイプの和室や、リビングと一体化させた中和室などのコンパクトで機能的な和室リフォームが主流です。
福岡市のリノベーション傾向:
- 限られたスペースを最大限に活用するデザイン
- 洗練されたモダンテイストの和室
- 収納機能を兼ね備えた多機能和室
南区・城南区・西区エリア
比較的新しい住宅が多い南区・城南区・西区では、LDKと一体化させた開放的な和室リフォームが人気です。特に西区では海に近い地域もあるため、湿気対策を考慮した素材選びが重要視されています。
福岡市リフォームの共通ポイント:
- 湿度が高い気候を考慮した素材選び
- 断熱性・通気性を高める工夫
- 台風対策を考慮した窓周りの設計
マンション和室リフォームのよくある質問
最後に、マンション和室リフォームに関するよくある質問と、その回答をまとめました。
中古マンションを購入して和室リノベーションする場合の注意点は?
中古マンションの和室リフォームを検討する場合は、まずマンション選びが重要です。以下のポイントをチェックしましょう。
- 築年数:耐震基準や設備の状態に影響
- 耐震強度:安全性の確認
- 管理状態:共用部分の状態がリフォームにも影響
- 修繕契約や積立金:将来的な維持費用の把握
- 希望プランの実現可能性:構造上の制約がないか確認
- ローンや保証制度:資金計画の検討
マンションの和室リフォームでDIYは可能?
持ち家のマンションであれば、一部のリフォームはDIYで行うことも可能です。ただし、専門知識や技術が必要な部分は、プロに依頼することをおすすめします。
DIY向きのリフォーム:
- 壁紙を使った部屋の印象変更
- 畳をはがさずにフロアタイルを貼る
- ウッドカーペットの設置
- 建材のグレードを下げて、自分で着色を施す
DIYを検討する場合も、事前にマンションの管理規約を確認し、許可が必要な工事かどうか確認しましょう。
マンションの和室リフォームで使える補助金はある?
マンションの和室リフォームでは、「リフォーム減税制度」などが活用できる可能性があります。
利用できる可能性のある減税制度:
- 住宅ローン減税制度
- 耐震改修に関する特例措置
- 省エネ改修に関する特例措置
- バリアフリー改修に関する特例措置
- 同居人対応改修に関する特例措置
- 長期優良住宅化リフォームに関する特例措置
- 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
適用条件は制度ごとに異なるため、リフォーム業者や税理士に相談することをおすすめします。
まとめ:失敗しないマンション和室リフォームのために
マンションの和室リフォームを成功させるためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
- 目的を明確にする:和室をどう使いたいのか、リフォームの目的を明確にする
- プロの意見を取り入れる:経験豊富なリフォーム会社に相談し、実現可能な提案を受ける
- 予算と相談して優先順位をつける:限られた予算内で最大限の効果を得られるよう計画する
- 周囲との調和を意識する:LDKなど隣接する空間との調和を考えたデザインにする
- 将来の使い勝手も考慮する:家族構成やライフスタイルの変化も見据えた設計にする
マンションの和室は、適切にリフォームすることで、現代の暮らしに合った魅力的な空間へと生まれ変わります。本記事を参考に、あなたにぴったりの和室リフォームプランを見つけてください。
特に福岡市でマンションの和室リフォームをお考えの方は、地域の特性を理解した専門業者に相談することをおすすめします。リフォーム福岡市やリノベーション福岡市東区などのキーワードで、地元に密着した実績豊富なリフォーム会社を探してみてください。