トイレリフォーム
トイレの手すりの高さと位置の最適解?安全で使いやすい設置方法と選び方完全ガイド

トイレは毎日何度も使う場所です。でも実は、トイレでの動作は意外と複雑で体への負担も大きいんです。
特に高齢の方や体が不自由な方にとって、「立つ・座る・体を拭く・方向転換する」といった一連の動作は想像以上に難しいもの。そんなときに頼りになるのが手すりなんですよね。
「うちはまだ必要ないかな」と思うかもしれませんが、実は手すりの効果は絶大です。例えば、こんなメリットがあります
- 立ち座りの動作をスムーズにサポート
- 体調が悪いときの強い味方に
- 転倒リスクを大幅に減らせる
- 自立した生活をより長く続けられる
- 介護する側の負担も軽減
私たちの施工事例でも、「もっと早く付けておけばよかった」というお声をよく耳にします。実際、手すりがあるだけで、トイレという日常の小さな場所での安心感が格段に増すんですよ。
ただし、せっかく設置するなら「正しい高さ」と「適切な位置」に取り付けることが大切です。実は高さや位置が合っていないと、かえって使いづらく、時には危険になることも。
この記事では、トイレの手すりの理想的な高さや位置、選び方のポイントまで、プロの視点から徹底解説します。ぜひ最後までご覧ください!
目次
トイレの手すりに最適な高さはどれくらい?
「手すりの高さは何センチがベスト?」というのは、実はとてもよくいただく質問です。
結論から言うと、手すりの最適な高さは使う人の身長や身体機能によって変わります。ですが、一般的な目安はあります。
例えば、廊下などの平らな場所の手すりは、床から75〜85cm程度が標準とされています。これは多くの方にとって、自然に手が届く高さなんです。
実はこの高さ、「腕を自然に下ろしたときの手首の位置」や「身長の約半分」という計算で出せます。日本人の70歳平均身長(男性165cm、女性152cm)を考慮すると、この範囲に収まるんですよね。
ただ、トイレの場合は少し異なります。トイレでは「立ち座り」という上下の動きが中心になるため、場所によって最適な高さも変わってきます。
実際の現場では、こんな声をよく聞きます: 「公共施設の手すりは低く感じる」 「使いやすい高さが家族それぞれで違う」
だからこそ、実際に使う方の体格や動作に合わせて調整することが大切なんです。
では次に、トイレ内の場所別に具体的な高さと位置を見ていきましょう。
場所別・手すりの理想的な位置と高さ
トイレでは場所によって手すりの役割が変わります。それに応じて最適な高さも変わってくるんです。ここでは、場所別に詳しく解説します。
1. ドア付近の手すり
【推奨される形状】 垂直方向のI型(縦型)手すり
【高さの目安】
- 上端:肩より少し高い位置
- 握る部分:床から約120cm
ドア付近の手すりは、出入りの際の体のバランスを支える大事な役割があります。特に体が弱っているときや、つまずきやすい方には欠かせません。
壁をよく見ると手垢で汚れている部分があるかもしれません。実はそこが自然と手を置いている位置なので、設置の参考になりますよ。
2. トイレ内の壁面手すり
【推奨される形状】 水平方向のI型(横型)手すり
【高さの目安】 床から75〜85cm程度
トイレ内を移動する際のサポートをする手すりです。廊下と同じく、腕を自然に下ろしたときの手首の高さが目安になります。
このタイプの手すりは、中腰で移動するときにも肘を置けるので便利です。特にトイレの入り口から便器までの距離がある場合に役立ちます。
3. 便器横の壁面手すり
【推奨される形状】 L字型手すり
【高さと位置の目安】
- 水平部分:床から約65cm(便座より約20〜25cm上)
- 垂直部分:便器の先端から20〜30cm前方
便器横の手すりは、立ち座りの動作と座っている姿勢の安定に役立ちます。特に注意したいのは、水平部分の下にペーパーホルダーを設置することが多いため、手すりが低すぎるとペーパーが使いにくくなる点です。
また、垂直部分が便器に近すぎると、立ち上がる際に無理な姿勢になってしまうので、適切な距離を保つことが大切です。
4. 便器正面の手すり
【推奨される形状】 水平方向のI型または可動式手すり
【高さと位置の目安】
- 高さ:床から60〜85cm程度
- 便器からの距離:40〜60cm程度
正面の手すりは、便器に座った状態での姿勢安定と立ち上がり動作をサポートします。トイレが狭い場合は壁に固定、広い場合は可動式(はね上げタイプ)が適しています。
便器からの距離が40cm未満だと手すりが体に近すぎて動きづらく、反対に遠すぎると手が届かなくなるので注意が必要です。
以下は、場所別の推奨高さをまとめた表です
設置場所 | 手すり形状 | 高さの目安 | 位置・距離の目安 |
ドア付近 | 垂直I型 | 床から120cm | 肩より少し高い位置から |
トイレ内壁面 | 水平I型 | 床から75〜85cm | – |
便器横壁面 | L字型 | 水平部分:床から65cm 垂直部分:床から65〜120cm |
便器先端から20〜30cm前方 |
便器正面 | 水平I型・可動式 | 床から60〜85cm | 便器から40〜60cm |
これらの数値はあくまで目安です。最終的には、実際に使う方の体格や動きに合わせて調整することが何より大切ですよ。
次に、手すりの種類とそれぞれの特徴を見ていきましょう。
手すりの種類と特徴
トイレに設置する手すりには様々な種類があります。それぞれの特徴を知って、使う方に最適なものを選びましょう。
水平型手すり(横型・I字型横)
壁に沿って水平に設置するシンプルな手すりです。トイレ内の移動をサポートし、特に中腰での移動時に便利です。
【メリット】
- 設置がシンプル
- 移動時の安定感が増す
- 中腰での移動時に肘を置ける
【おすすめの設置場所】
- トイレ入口から便器までの壁面
- 便器の正面の壁
I字型手すり(縦型)
壁に垂直に設置する手すりです。立ち座りの動作や方向転換時の体重支持に役立ちます。
【メリット】
- 立ち座り動作をサポート
- 体重を垂直方向に支えられる
- スペースをとらない
【おすすめの設置場所】
- トイレの出入り口付近
- 便器横の壁面
中には、トイレットペーパーホルダーや小物棚が一体になったタイプもあり、機能性とデザイン性を両立できます。
L字型手すり
縦と横の手すりが一体となった形状で、立ち座りと座位姿勢の両方をサポートします。
【メリット】
- 縦型と横型の機能を一つで兼ねる
- 立ち座りと座位の両方をサポート
- 用途に応じて握る位置を変えられる
【おすすめの設置場所】
- 便器横の壁面
L字型は多機能なので、スペースの限られたトイレでも効果的にサポートできる優れものです。
はね上げ手すり(可動式)
使わないときは壁に向かって跳ね上げられる手すりです。スペースを有効活用したい場合や、介助が必要な方のために空間を確保したい場合に最適です。
【メリット】
- 使わないときはコンパクトに収納できる
- 介助スペースを確保できる
- 家族間で使い方が異なる場合に便利
【おすすめの設置場所】
- 便器横や正面の空間
上下に可動するタイプや水平にスイングするタイプがあり、トイレのレイアウトや使用者のニーズに合わせて選べます。
アームレスト
肘掛け椅子のように腕を置ける手すりで、座位姿勢の安定と立ち座りをサポートします。
【メリット】
- 腕全体を乗せられる安定感
- リラックスした姿勢を保ちやすい
- 立ち上がりやすい
【おすすめの設置場所】
- 便器両側
床に固定するタイプと壁に取り付けるタイプがあり、はね上げ可能なものもあります。
波型手すり
握る部分が波型になっているタイプで、握りやすく滑りにくいのが特徴です。
【メリット】
- 手首への負担が少ない
- 握りやすく滑りにくい
- 自然な握り角度を保てる
【おすすめの設置場所】
- どの位置にも設置可能
- 特に頻繁に使う場所
握力の弱い方や関節に不安のある方におすすめです。
次に、手すりを選ぶときのポイントを見ていきましょう。
手すりを選ぶときの3つのポイント
手すりを選ぶときは、以下の3つのポイントに注目すると失敗が少なくなります。
1. 壁の強度をしっかり確認
手すりは人の体重を支えるものなので、取り付ける壁の強度が十分かどうかが非常に重要です。
【チェックポイント】
- 壁の裏側に柱や間柱があるか
- 壁の材質(石膏ボード、タイル、木材など)
- 壁の厚みは十分か
石膏ボードだけの壁に直接取り付けると、体重をかけたときに壁ごと剥がれる危険があります。安全のためには、壁の中の柱や間柱に固定するか、下地補強を行う必要があります。
実際の現場では、「壁を叩いてみて、空洞の音がするかどうか」という簡易チェックをすることもありますが、プロに確認してもらうのが一番安心です。
下地補強が必要な場合は、追加費用がかかりますが、安全のために妥協すべきではありません。
2. 素材とデザインで選ぶ
手すりの素材によって、握り心地や温かさ、耐久性が変わってきます。主な素材には以下のようなものがあります:
【主な手すり素材】
- 木製:温かみがあり握りやすい。インテリアに馴染みやすい
- ステンレス:清潔感があり丈夫。メンテナンスが簡単
- 樹脂製:軽くて温かみがある。カラーバリエーションが豊富
- アルミ製:軽量で錆びにくい。デザイン性が高いものが多い
また、手すりの太さも重要です。一般的に直径32〜35mm程度が握りやすいとされていますが、使う方の手の大きさによって最適な太さは変わります。
最近では、トイレのインテリアに合わせたおしゃれな手すりも多く販売されています。機能性とデザイン性を両立させることで、「福祉用具」という印象ではなく、スタイリッシュなトイレ空間を作ることもできますよ。
3. 使う人の特性に合わせる
最も大切なのは、実際に使う方の体格や動作、生活習慣に合わせて選ぶことです。
【考慮すべきポイント】
- 身長や体重
- 握力の強さ
- 普段の動作パターン
- 利き手はどちらか
- 既存の身体的な不自由はあるか
例えば、握力が弱い方には太めの手すりや波型タイプ、関節に痛みがある方には立ち座りをサポートするL字型や縦型手すりが適しています。
また、複数の家族が使う場合は、可動式の手すりを採用することで、それぞれのニーズに対応できることもあります。
理想的なのは、実際に使う方と一緒にショールームなどで触れてみることです。握った感触や使い勝手を確かめてから決めると、満足度が高くなりますよ。
手すり設置にかかる費用の目安
手すりの設置費用は、種類や工事の内容によって変わります。ここでは、一般的な費用の目安をご紹介します。
基本的な設置費用の例
下記は、L字型手すり1本を設置した場合の見積もり例です:
項目 | 内容 | 数量 | 単価 | 金額 |
下地補強材 | 厚15×幅110mm | 2m | 4,630円 | 9,260円 |
下地補強取付 | ビス止め | 2m | 1,840円 | 3,680円 |
L型手すり | 木製 φ35程度 600×600mm | 1本 | 8,400円 | 8,400円 |
手すり取付 | ブラケット止め | 1本 | 6,200円 | 6,200円 |
小計 | 27,540円 | |||
諸経費 | 5,508円 | |||
合計 | 33,048円 |
※養生費は別途
この例は手すり1本の場合ですが、複数設置する場合はその分の追加費用がかかります。また、既存の壁の状態によっては、追加の補強工事が必要になることもあります。
費用に影響する主な要素
- 手すりの種類と本数
- シンプルなI型手すり:5,000〜15,000円/本
- L字型手すり:8,000〜20,000円/本
- はね上げ式手すり:15,000〜30,000円/本
- アームレスト:20,000〜40,000円/セット
- 壁の補強工事の有無
- 下地補強が必要な場合:5,000〜15,000円程度/箇所
- タイル壁の場合:追加費用が発生することが多い
- 設置場所の状況
- 既存設備の移動が必要な場合
- トイレの広さや形状
- 工事の範囲
- 手すりだけの設置
- トイレ全体のリフォームの一部として行う場合
費用だけで判断するのではなく、安全性や使い勝手を最優先に考えることが大切です。また、介護保険を利用できる場合もあるので、事前に確認してみるとよいでしょう。
失敗しない!手すりの高さ・位置を決めるコツ
手すりの設置で失敗しないためのコツをご紹介します。ちょっとした工夫で、使い勝手が大きく変わりますよ。
実際の動きをシミュレーションする
手すりの設置位置を決める際は、実際の動きをシミュレーションすることが大切です。
【具体的な方法】
- 段ボールや木の棒などで簡易的な手すりを作る
- トイレ内での一連の動作(入室→方向転換→立ち座り→ペーパー使用→立ち上がり→退室)を実演
- 最も手が自然に伸びる位置を確認
「ここに手すりがあれば助かるな」と感じる場所が、実は最適な位置であることが多いんです。
動作別のチェックポイント
トイレでの主な動作ごとに、注目すべきポイントがあります。
【ドアの開閉時】
- ドアノブから適切な距離にあるか
- ドアの開閉方向と手すりの位置関係
- 指が挟まる危険はないか
【方向転換時】
- 体を回転させる中心となる位置にあるか
- 十分な支えになる長さと高さか
【立ち座り時】
- 自然に手が届く範囲にあるか
- 体重をかけても安定するか
- 上半身を前傾させやすい位置か
【座っている状態】
- ペーパーが使いやすい位置か
- リラックスした姿勢をサポートするか
一つ一つの動作を確認しながら、理想的な位置を見つけていきましょう。
生活スタイルに合わせた工夫
使う方の生活スタイルや特性に合わせた工夫も大切です。
【夜間のトイレ使用が多い場合】
- 手すりに蓄光テープを貼る
- 手すりの近くにセンサーライトを設置
【複数の方が使用する場合】
- 可動式の手すりを検討
- 異なる高さに複数設置することも検討
【将来的な変化を考慮】
- 取り外し可能な設計にしておく
- 後から高さ調整できるタイプを選ぶ
小さな工夫が、日々の使い勝手を大きく左右します。遠慮なくプロに相談してみてくださいね。
プロのアドバイスを活用する
最後に、プロのアドバイスを活用することも大切です。経験豊富なリフォーム会社なら、これまでの施工実績から最適な提案ができます。
特に、「介護保険の住宅改修」を利用する場合は、ケアマネージャーや福祉住環境コーディネーターなどの専門家の意見も参考になります。
「こんな手すりがいいな」というイメージがあれば、ぜひリフォーム会社に伝えてみてください。そのイメージに合った実用的な提案をしてくれるはずです。
福岡市エリア別の住宅特性と最適な手すり設置
福岡市は区によって住宅の特性や気候条件が異なります。ここでは、各区の特徴を踏まえた手すり設置のポイントをご紹介します。
福岡市の気候特性と手すり選びの基本
福岡市は夏の湿度が高く、冬は比較的温暖ですが、住宅の位置や築年数によって室内環境は大きく変わります。
特に浴室やトイレなどの水回りは、湿気対策が重要です。手すりを選ぶ際は、耐水性や防カビ性に優れた素材を選ぶと長持ちします。
福岡市の住宅は築年数の幅が広く、新築マンションから古い戸建てまで様々です。特に築年数が経った住宅では、壁の強度チェックが欠かせません。
東区エリアでよくある相談内容と解決策
東区は海に面したエリアと内陸部があり、潮風の影響を受ける地域もあります。海沿いのマンションや住宅では、塩害に強いステンレスや樹脂製の手すりがおすすめです。
東区では、「子育て世代と高齢者が同居している」というご家庭も多く、「リフォーム福岡市東区」の検索も増えています。全世代が使いやすいユニバーサルデザインの手すりを選ぶと良いでしょう。
特に和白・香椎エリアでは、高齢化が進んでいるため、将来を見据えた計画的なリフォームのご相談が多いです。
博多区エリアの特徴と対応ポイント
博多区には古い町家タイプの住宅から新築マンションまで様々なタイプの住宅があります。特に古い住宅では壁の補強が必要になることが多いため、事前の調査が重要です。
また、分譲マンションでは管理規約で工事に制限がある場合もあるため、事前確認が必要です。「リノベーション福岡市」と合わせて検討される方も多いエリアです。
博多区で多いのは、「賃貸物件のオーナー様からの相談」です。入居者に長く住んでもらうための設備として、手すりを含むバリアフリーリフォームを検討されるケースが増えています。
中央区エリアならではの考慮点
中央区はマンションが多く、特に近年は高級マンションの建設も進んでいます。デザイン性の高い手すりへのニーズが高く、トイレのインテリアに調和するおしゃれな手すりの導入事例が増えています。
また、単身世帯や共働き世帯が多いエリアでもあるため、「将来を見据えた安心のための設備」として手すりを取り入れるケースも見られます。
「リフォーム福岡市」と検索する方も多く、トイレだけでなく玄関や浴室を含めた水回り全体のバリアフリー化をご希望される方が増えています。
南区エリアの住宅事情と推奨プラン
南区は戸建て住宅が多く、特に高齢の方が長く住んでいる家屋も多いエリアです。段差が多い住宅構造のため、トイレだけでなく廊下や階段の手すりと合わせた総合的なプランニングが効果的です。
「リノベーション福岡市南区」のニーズも高く、二世帯住宅への改修と合わせてバリアフリー化を進めるケースも増えています。
南区で特徴的なのは、「親の家を将来に備えて改修したい」という、遠方に住む子世代からのご相談です。将来的な介護も見据えた設備の導入を検討されるケースが多いです。
城南区エリアの特性と注意点
城南区は閑静な住宅地が多く、戸建て住宅での「リフォーム福岡市」検索も多いエリアです。特に比較的新しい住宅が多い地域ですが、二階建ての家が多いため、階段の手すりとトイレの手すりを組み合わせた設置が効果的です。
また、水回りの設備更新と合わせて手すりの設置を検討されるケースが多く、トイレの便器交換と同時に手すりを設置するとコストを抑えられることもあります。
西区エリアの環境に応じた提案
西区は海に面した地域が多く、潮風の影響を考慮した素材選びが重要です。また、新興住宅地と古くからの住宅地が混在しており、住宅の築年数によって必要な工事が異なります。
「リノベーション福岡市西区」と検索される方も多く、将来を見据えた若いうちからのバリアフリー化のご相談も増えています。
西区で特徴的なのは、「実家の手すり設置を検討している」という、親世代と子世代が一緒に来店されるケースです。家族で相談しながら最適な手すりを選ぶことで、より使いやすい環境を作れますよ。
また、室見川近くの湿気の多いエリアでは、防カビ加工された手すりや通気性の良い設計が喜ばれています。